子どもの発熱|自宅での過ごし方・解熱剤・受診の目安を解説

子どもが発熱したときの室温・服装、水分補給、解熱剤、入浴、受診の目安を解説します。熱が下がった翌日の登園や「24時間ルール」、夜間でも受診したい症状も分かりやすくまとめました。
子どもが急に熱を出すと、「冷やした方がよい?」「何度なら受診する?」「明日は保育園に行ける?」と迷うものです。
発熱時は体温の数字だけでなく、呼びかけへの反応、呼吸、水分摂取、尿、顔色などを確認することが大切です。
発熱時に確認すること

発熱は、感染症などに対して体が反応している状態です。高熱だからといって、必ずしも重症とは限りません。
体温だけで判断せず、次の点を確認しましょう。
- 呼びかけに普段どおり反応するか
- 息苦しさや呼吸の速さがないか
- 水分や母乳・ミルクを取れているか
- 尿の回数や量が減っていないか
- 顔色、機嫌、元気はどうか
- 咳、嘔吐、下痢、発疹、耳の痛みがないか
水分や母乳・ミルクが取れ、普段どおり眠れている場合は、必ずしも夜間に救急受診する必要はなく、翌日の日中にかかりつけ医へ相談できることもあります。
発熱時の室内環境と冷やし方
寒気があり手足が冷たいときは、無理に冷やさず、衣服や掛け物で調整します。
熱が上がりきって暑がるようになったら薄着にし、エアコンなどを利用して過ごしやすい環境を整えましょう。汗をかいたときは、体を拭いて着替えます。
冷やすことは、発熱の原因となる病気を治す治療ではありません。本人が気持ちよさそうなら、首元や脇の下を冷たいタオルで冷やしても構いませんが、嫌がる場合は必要ありません。
保冷剤を直接肌に当てたり、乳幼児の顔の近くに冷却シートを貼ったりすることは避けてください。
水分補給と解熱剤

発熱時は水分を失いやすいため、飲めるものを少量ずつ、こまめに与えます。母乳やミルクは普段どおり続けて構いません。
食欲がないときは無理に食べさせず、まずは水分補給を優先しましょう。嘔吐や下痢がある場合は、経口補水液も選択肢になります。
解熱剤は「つらさ」を和らげる薬
解熱剤は、熱を必ず平熱に戻すための薬ではありません。痛みやつらさを和らげ、水分や睡眠を取りやすくする目的で使用します。
体温が高くても、元気があり水分を取れている場合は、必ずしも使う必要はありません。
小児の解熱鎮痛薬では、一般的にアセトアミノフェンが第一選択となります。医師から指示された量と使用間隔を守り、家族の薬や以前の残薬を自己判断で使用しないでください。総合感冒薬との成分の重複にも注意が必要です。
入浴してもよい?
意識がはっきりしており、息苦しさがなく、水分が取れている場合は、短時間のぬるめのシャワーで汗を流しても構いません。
次のような場合は入浴を控え、体を休ませましょう。
- 嘔吐を繰り返している
- 寒気が強い
- ぐったりしている
- 呼吸が苦しそう
- 水分を取れていない
熱が下がった翌日は登園できる?
「24時間ルール」とは

厚生労働省のガイドラインでは、次の場合は登園を控えることが望ましいとされています。
- 24時間以内に38℃以上の発熱があった
- 24時間以内に解熱剤を使用した
- 37.5℃を超える熱があり、元気や食欲がない
- 水分を十分に取れていない
そのため、前日の夕方や夜に38℃以上の熱があった場合は、翌朝に熱が下がっていても、もう1日自宅で様子を見るのが目安です。
登園再開を判断するチェックポイント
- 24時間以内に38℃以上の発熱がない
- 24時間以内に解熱剤を使っていない
- 体温が37.5℃以下で元気や機嫌がよい
- 食事や水分を取れている
- 尿の回数が減っていない
- 咳や鼻水が悪化していない
- 普段どおり集団生活を送れる
この「24時間ルール」は、すべての病気に共通する法的な出席停止期間ではなく、子どもの回復状態を確認するための目安です。保育園やこども園が独自の登園基準を設けている場合もあるため、事前に確認しましょう。
インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、水痘、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)などは、病気ごとに出席停止期間や登園・登校再開の基準が定められています。
一方、手足口病やヘルパンギーナ、ウイルス性胃腸炎などは、一律の日数ではなく、症状や全身状態、食事・水分摂取の状況をもとに判断します。
診断を受けた場合は、医師および園・学校の指示に従い、登園届・意見書などの必要書類についても事前にご確認ください。
一定の出席停止期間が定められている感染症
| 感染症 | 出席・登園再開の基準 |
|---|---|
| インフルエンザ | 発症後5日を経過し、かつ解熱後2日を経過するまで(幼児は解熱後3日経過するまで) |
| 新型コロナウイルス感染症 | 発症後5日を経過し、かつ症状軽快後1日を経過するまで |
| 麻しん(はしか) | 解熱後3日を経過するまで |
| 流行性耳下腺炎(ムンプス・おたふくかぜ) | 耳下腺・顎下腺・舌下腺の腫れが現れてから5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで |
| 風しん | 発疹が消失するまで |
| 水痘(水ぼうそう) | すべての発疹がかさぶたになるまで |
| 咽頭結膜熱(プール熱) | 発熱・充血などの主な症状が消失した後、2日を経過するまで |
| 流行性角結膜炎 | 結膜炎の症状が消失するまで |
| 百日咳 | 特有の咳が消失するまで、または適切な抗菌薬による5日間の治療が終了するまで |
| 結核・侵襲性髄膜炎菌感染症 | 医師が感染のおそれがないと判断するまで |
これらは学校保健安全法施行規則の出席停止基準に基づくもので、保育所のガイドラインでも同様の基準が示されています。
一律の日数ではなく、回復状態で判断する感染症
| 感染症 | 登園再開の目安 |
|---|---|
| 溶連菌感染症 | 抗菌薬の内服開始後24~48時間が経過している |
| 手足口病 ヘルパンギーナ | 発熱や口の痛みの影響がなく、普段の食事がとれる |
| ウイルス性胃腸炎 | 嘔吐・下痢が治まり、普段の食事がとれる |
| 伝染性紅斑(りんご病) | 全身状態が良好である |
| マイコプラズマ肺炎 | 発熱や激しい咳が治まっている |
| RSウイルス感染症 | 呼吸器症状が消失し、全身状態が良好である |
| 突発性発疹 | 解熱し、機嫌と全身状態が良好である |
これらには病名ごとの一律の法定日数はなく、症状や全身状態を見て登園可能か判断します。
すぐに医療機関を受診する目安

次の症状がある場合は、夜間や休日でも医療機関へ相談してください。
- 生後3か月未満で38℃以上の発熱がある
- ぐったりして反応が乏しい
- 呼びかけても起こしにくい
- 呼吸が苦しそう、呼吸が速い
- 唇や顔色が青紫色になっている
- 水分が飲めず、尿が長時間出ていない
- 初めてけいれんした
- けいれんが5分以上続いている
- 嘔吐を繰り返している
- 急速に広がる発疹がある
子どもの発熱では、受診の必要性を体温だけで決めることはできません。元気、呼吸、顔色、水分摂取、尿の状態を含めて判断することが重要です。
よくある質問
熱が何度になったら受診が必要ですか?
体温だけでは決まりません。年齢、呼びかけへの反応、呼吸、水分摂取、尿、顔色を合わせて判断します。特に、生後3か月未満で38℃以上の発熱がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
解熱剤で平熱まで下がらなくても大丈夫ですか?
平熱まで下がらなくても、表情がよくなり、水分や睡眠を取れるようになれば、解熱剤の目的は果たしています。
解熱後も反応が悪い、呼吸が苦しい、水分が取れない場合は受診してください。
厚着をして汗をかかせた方がよいですか?
厚着や厚い布団で無理に汗をかかせる必要はありません。寒気がある間は温かくし、暑がるようになったら薄着にするなど、子どもの様子に合わせて調整しましょう。
解熱後24時間たてば必ず登園できますか?
24時間は一つの目安です。熱がなくても、機嫌が悪い、食事や水分を取れない、咳がひどい、普段どおり遊べない場合は、まだ十分に回復していない可能性があります。
登園先の基準や、診断された感染症ごとの登園条件も確認してください。
まとめ
子どもの発熱では、熱の高さだけでなく、意識、呼吸、水分摂取、尿、顔色を確認することが重要です。
家庭では過ごしやすい室内環境を整え、少量ずつこまめに水分を与えましょう。解熱剤は、子どものつらさを和らげる目的で適切に使用します。
登園は、解熱剤を使わず、24時間以内に38℃以上の発熱がなく、食事や水分を取れて普段どおりに過ごせることが目安です。全身状態が悪い場合や低月齢の発熱は、早めに医療機関へ相談してください。
子どもの発熱はさぎ山クリニックへご相談ください
岐阜市鷺山北町にあるさぎ山クリニックの小児科・耳鼻咽喉科では、子どもの発熱をはじめ、咳、鼻水、喉の痛み、耳の痛み、嘔吐、下痢などの診療を行っています。
子どもの発熱では、体温の高さだけでなく、年齢、呼びかけへの反応、呼吸の状態、水分摂取、尿の回数、顔色などを確認することが大切です。症状の経過や周囲の感染症の流行状況も踏まえ、必要な検査や治療を検討します。
お子さんの発熱や体調の変化が気になる場合は、お気軽にご相談ください。
【参考文献】
・厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」
・文部科学省「学校保健安全法施行規則」
・日本小児科学会「こどもの救急(ONLINE-QQ)」