岐阜市鷺山北町のさぎ山クリニックでは、脂質異常症(高コレステロール血症・高中性脂肪血症など)の診断・治療・継続管理を行っています。
脂質異常症は自覚症状がほとんどなく、健康診断の血液検査で初めて発見されることも多い病気です。放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な疾患につながるため、早期の評価と継続的な管理が大切です。
当院の脂質異常症における特徴
血液検査に加えた動脈硬化リスクの総合評価
脂質の数値だけでなく、動脈硬化の進行度を把握することが脂質異常症の管理では重要です。当院ではLDL・HDL・中性脂肪の血液検査に加え、必要に応じて動脈硬化の状態を評価しています。
検査結果をもとに患者さまのリスクを総合的に判断し、治療の必要性や薬剤の選択を決定します。数値だけに頼らない、患者さまの全体像を見た診療を心がけています。
循環器専門医と連携した生活習慣病の一括管理

脂質異常症は、高血圧・糖尿病・肥満などと合併することが多く、それらが重なることで心血管疾患のリスクが大幅に高まります。当院では内科を中心に、必要に応じて循環器領域の評価も行いながら、生活習慣病を一括して管理できる体制を整えています。
複数の疾患を抱える患者さまでも、複数の医療機関を受診する負担を減らし、一つの医療機関で継続的に管理できることが当院の強みです。脂質異常症単体ではなく、全身のリスク管理として取り組んでいます。
生活指導と薬物療法を組み合わせた長期管理

脂質異常症の治療では、食事・運動などの生活習慣の改善を基本とし、必要に応じてスタチンなどの薬物療法を組み合わせます。患者さまの生活スタイルを尊重しながら、無理なく続けられる指導を心がけています。
定期的な採血で治療効果を確認しながら薬の種類や量を調整し、状態が安定している場合は3〜6か月ごとの採血で経過を確認するなど、通院の負担にも配慮しています。
脂質異常症とは

脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪の値が正常の範囲を外れた状態のことを指します。LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が高い状態や、中性脂肪が高い状態、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が低い状態などがあります。
自覚症状がほとんどないにもかかわらず、放置すると血管の内側に脂質が蓄積して動脈硬化が進み、心筋梗塞・脳梗塞・狭心症などの重大な合併症につながることがあります。
健康診断で指摘された場合は、早めに評価を受けることをおすすめします。
診断基準と検査内容

脂質異常症は血液検査によって診断します。以下の値が目安とされています。
| 項目 | 基準値(診断の目安) |
|---|---|
| LDLコレステロール | 140 mg/dL以上 |
| HDLコレステロール | 40 mg/dL未満 |
| 中性脂肪(TG) | 150 mg/dL以上(空腹時) |
いずれかの値が基準を超える場合に脂質異常症と診断されます。
また、LDLコレステロールが180 mg/dL以上と高値の場合や、若い年齢で心筋梗塞を発症した家族がいる場合には、家族性高コレステロール血症(FH)の可能性があります。
FHは約200〜300人に1人と比較的頻度の高い遺伝性疾患で、通常の脂質異常症と比べて若い年齢から動脈硬化が進行しやすく、心筋梗塞などの発症リスクが非常に高いことが知られています。
また、FHではアキレス腱が厚くなる「アキレス腱肥厚」がみられることがあり、診断の手がかりとなります。
当院では、FH(家族性高コレステロール血症)が疑われる場合には、アキレス腱肥厚の評価を超音波検査やレントゲン検査で行い、身体所見や家族歴、血液検査の結果などを総合的に判断します。
FHは見逃されやすい疾患ですが、早期に診断し適切な治療を開始することで、将来の心筋梗塞などの心血管疾患の予防につながります。
治療の進め方

脂質異常症の治療はまず生活習慣の改善から始めます。
食事は脂質のとり方(飽和脂肪酸の制限・食物繊維の積極的な摂取)を見直し、週150分程度の有酸素運動・体重管理・禁煙を組み合わせることが基本です。
それでも十分に改善しない場合や、もともと心血管リスクが高い場合には薬物療法を開始します。薬剤は患者さまの脂質異常のタイプや合併症の状況に応じて選択しており、主なものとして次のものがあります。
| 薬剤の種類 | 主な効果 |
|---|---|
| スタチン | LDLコレステロールの低下 |
| エゼチミブ | コレステロール吸収の抑制 |
| PCSK9阻害薬 | LDLコレステロールを大きく低下 |
| EPA製剤 | 中性脂肪の低下・動脈硬化予防 |
| フィブラート系薬剤 | 中性脂肪高値に有効 |
薬物療法を開始した後は、定期的な診察と血液検査で治療効果や副作用を確認します。通常は1〜2か月後に採血を行い、状態が安定すれば3〜6か月ごとに経過をみていきます。
LDLコレステロールが著しく高い場合や、家族性高コレステロール血症(FH)、心筋梗塞などの心血管疾患の既往があり、スタチンなどで十分な効果が得られない場合には、PCSK9阻害薬などを検討することがあります。
動脈硬化リスクの評価

脂質異常症は動脈硬化を進行させ、心筋梗塞・脳梗塞などの原因となります。当院では血液検査だけでなく、必要に応じて以下の検査も行い動脈硬化の状態を総合的に評価しています。
| 検査 | 内容 |
|---|---|
| 動脈硬化検査(ABI・CAVI検査) | 血管の硬さ・血管年齢の評価 |
| 頸動脈エコー検査 | 頸動脈の動脈硬化・プラークの評価 |
| 心電図 | 心臓の電気的な異常の確認 |
| 心エコー検査 | 必要に応じて心臓機能を評価 |
これらの結果をもとに、生活習慣の改善と薬物療法を組み合わせ、将来の心血管疾患を予防することを目標に長期的な管理を行っています。
よくある質問
コレステロールが高いと言われましたが、症状がなくても受診は必要ですか?
脂質異常症は自覚症状がほとんどなく、健康診断で初めて発見されることが多い病気です。症状がなくても動脈硬化が進行していることがあるため、健康診断で異常を指摘された場合は、早めの受診をおすすめします。
食事に気をつければ薬を飲まなくてもよいですか?
生活習慣の改善によって脂質値が改善する方もいます。
ただし、もともとの心血管リスクが高い方や、LDLコレステロール値が著しく高い方では、食事や運動の改善に加えて薬物療法が必要となることがあります。まずは診察で状態を確認し、適切な治療方針をご提案します。
スタチンの副作用は大丈夫ですか?
スタチンは、脂質異常症の治療で広く使用されている安全性の高い薬剤です。
まれに筋肉痛やCK(筋酵素)の上昇、肝機能異常などがみられることがありますが、多くの方は問題なく服用されています。気になる症状がある場合は、薬剤の変更や用量調整など適切に対応しますので、お早めにご相談ください。
中性脂肪が高い場合、コレステロールとは治療が違いますか?
はい、異なります。
中性脂肪は食事や飲酒の影響を受けやすく、まずは食生活の改善や節酒、運動などの生活習慣の見直しが重要です。必要に応じてEPA製剤やフィブラート系薬剤などを使用することがあり、LDLコレステロール高値とは治療方針が異なる場合があります。
家族に若い頃から心筋梗塞になった人がいます。精密検査は必要ですか?
若い年齢で心筋梗塞を発症したご家族がいる場合は、家族性高コレステロール血症(FH)の可能性があります。
FHは通常の脂質異常症よりも若い頃から動脈硬化が進行しやすく、心血管疾患のリスクが高いことが知られています。
当院では、家族歴や血液検査、必要に応じてアキレス腱肥厚の評価などを行い、総合的に判断しますので、お気軽にご相談ください。